What’s
pers
建築パースとは

Memo!ルネサンス期から続く透視図法

透視図法とは、遠近法の代表的な手法です。
画面上の【消失点】に向かって対象物が吸い込まれるように描くことにより空間関係を損なうことなく描写する方法で、イタリアのルネサンス期に建築家のフィリッポ・ブルネレスキによって発見されました。初期の頃は消失点が一つの「一点透視法」だけでしたが、次第に消失点を増やした「二点透視法」や「三点透視法」なども確立されており、もっとも体系化された空間の表現方法と言われています。
そして、この概念は約600年経った現在の私たちが見ている建築パースにも使用されています。

建築パースとは、未完成の建物の外観や内観を「完成予想図」として立体的なイメージにするものです。建築やインテリアデザイン業界で欠かせないツールとして用いられています。

私たちNC1 VIZ. は、住宅(内観、外観、鳥瞰)・店舗・マンション・大型施設といった様々な建築パースを制作している制作会社で、クライアントのデザインをより良いイメージにするため、日々建築パースと向き合っています。

そもそも「パース」とは、英語の”Perspective Drawing”(透視図)を略したもので、一言で表すと「透視図法によって描いた三次元の絵」という意味になります。そして、その技法によって私たちが実際に見ているように立体的なイメージが描くことが可能です。

その理由は、建築パースが「完成予想図」として描かれ、より設計を把握することができる点にあります。
通常、設計者は図面を書きながら設計をしますが、それだけでは二次元的な情報のみになってしまうため、例えば光が差し込む様子など、設計者の意図を正確に伝えることができません。また、その設計の依頼者も専門知識がない場合は完成イメージを想像するのが難しくなり、その結果両者間で設計のイメージをきちんと共有できなくなります。
それに対し、建築パースによって立体的に表現することで、完成後のイメージをより直感的に把握することができます。そのため、建築パースは設計の「完成予想図」を共有するための有効なツールとなっています。

そんなパースですが、ルネサンス期に確立した遠近法を今でも使っている一方で、最新のデジタル技術やアプリケーションの開発によって進化し続けていたりと、歴史と最先端が融合している興味深いツールです。
そこで、このページではパースの基礎知識をはじめ、最新のパースの利用方法などを、私たちの経験を踏まえながら説明していこうと思います。
パースについて知りたい方や興味がある方などにお役に立てれば嬉しいです。

What’s
CG pers
CGパースとは

CGパースとは、コンピュータを使って描かれた建築パースのことを言い、手描きの製作と比較して、高い正確性や、精密な表現が可能です。デジタルデータのため、容易に修正や複製が可能でフォトリアルな品質で製作できる点が特徴です。
これまで手描きが主流だった建築パースですが、2000年以降から徐々にCGパースが普及し始め、現在では建築パースといえばCGパースが一般的になっています。その理由はテクノロジーやソフトウェアの開発によって、コンピュータを用いたCGパース制作に様々なメリットがあるからです。

  1. Point1
    High Accuracy
    高い正確性
    CADなどの図面データをそのまま読み込んで制作するため、寸法や形状などが正確に反映された建築パースを作ることができます。さらには、装飾や製品の部品など手描きでは難しい精密な表現もCGパースによって制作することが可能です。
  2. Point2
    Easy Adjustment
    / Duplication
    容易な変更・複製
    デジタルデータのため、容易な変更・複製が可能です。そのため、急な修正依頼なども迅速に対応できるだけでなく、デザインパターンをいくつも提出しなければいけないようなケースでも、内容を複製しながら効率よく制作できます。
  3. Point3
    Photo-Real Quality
    フォトリアルな品質
    映画やゲームの世界で息を飲むほどリアルなCGを見ることがありますが、CGパースでもそのような描写ができます。光源の設定や各素材の質感など細かいところまでこだわることで、よりフォトリアルな建築パースを作ることができます。

CGパースは上記のようなメリットに加え、様々な最新のソフトウェアを利用することができるのも一つの特徴で、それぞれの目的・特徴に合ったソフトウェアを使い分けながら1枚の建築パースを完成させています。

  • Making
    Process
    CGパースの制作プロセス

    どのように平面的な図面から立体的な建築パースになるまでのCGパースの制作プロセスをご紹介します。もちろん各制作者によって個人差はありますが、ここでは私たちTHREE VIZ. が普段実施している基本的な作業フローを中心に説明していきます。
  • step1Modelingモデリング

    まずはベースとなる図面に従いモデリングを行い、設計者のデザインを正確に反映させていきます。「立体物を作る」という意味のモデリングですが、CGパースの全ての要素はモデリングによって構成されており、壁や建具、家具などそれぞれのモデリングをCG空間内に並べていくことで建造物を建ち上げていきます。
  • step2Cameraカメラの配置

    モデリングが完了した次はカメラの配置・設定を行います。カメラからの視点がそのまま建築パースの最終イメージになるため、実際に建築写真を撮影するように、どのアングルが一番魅力的に見えるかを考え、カメラ位置や画角を検討しています。カメラ設定時には透視図法のキーポイントである「消失点」も確認することができます。
  • step3Mapping素材・光源の設定

    カメラアングル決定後、各モデリングの素材を貼り付けていきます。木、石といった各素材のマッピングだけでなく、反射率や透過率などを細かく設定することでリアルなイメージになるよう仕上げていきます。また、自然光や照明の光源を設定し、印象的なイメージになるよう調整していきます。
  • step4Renderingレンダリング

    レンダリングとはこれまで制作してきたCG空間を一枚の画像として書き出す工程のことを指します。素材の表現や反射・透過の効果などもレンダリングの計算によって表現されています。そのため、調整とレンダリングを繰り返し、狙い通りのイメージになるように調整していきます。
  • step5Photo
    Retouch
    フォトレタッチ

    撮影した写真の調整をフォトレタッチと呼びますが、CGパースでも最終工程でフォトレタッチを実施します。レンダリングだけでは調整が難しい細かい部分の色調や実写真の合成など、表現したい方向性に沿った建築パースになるようにレタッチを行い、最後の仕上げを行います。

pers types建築パースの種類

建築物を描いたパースを「建築パース」と呼び、用途や目的によって「外観パース」「内観パース」「鳥瞰パース」など使い分けられています。ここでは、そのようなパースの各種類について説明していきます。

  1. 外観パース

    type1Exterior Pers外観パース

    戸建住宅やマンションの広告などでよく目にする「外観パース」は、その名の通り建物の外観を描く建築パースのことを言います。
    木を使った温かみのある家、重厚感のある高級マンションなど、それぞれのコンセプトに合った外観パースを制作することで、設計者の意図を明確に伝えることができます。アングル位置や画角、流行りの外構など、細かいところまでこだわるほど、建物の「顔」としてのイメージが立ち上がってくるのが外観パースです。
    また、季節や時間帯を設定し、桜が舞う春の新シーズン感や秋の夕暮れのエモーショナルな雰囲気などを演出することで、そのパースを見た人が実際にその建物を使用しているシーンを外観パースから想像することができます。

    よく利用されるカテゴリー

    住宅(戸建/連棟)|マンション|ホテル & 店舗|大型施設(公共/商業) など

  2. 内観パース

    type2Interior Pers内観パース

    「内観パース」とは住居や店舗の室内空間を描いたパースのことを指します。内観パースは内装デザインを見せるために使用されますが、壁や天井といった空間全体の形状を伝えながら、木なら木、石なら石といった各素材の質感を描き分けることで、空間をよりリアリティのあるイメージとして表現することができます。また、明暗のバランスなど内装デザインで重要な役割を持つ照明の様子も、内観パースで確認することができます。
    他にも、CGパースでは家具や什器の3Dモデリングを自由に配置・入れ替えが可能なため、室内レイアウトの検討用にもよく用いられており、家具の色は空間にマッチしているのか、その什器は実際に配置するとどう見えるかなどを内観パースを通じてチェックしています。

    よく利用されるカテゴリー

    住宅|マンション(居住空間/エントランス)|ホテル(宿泊空間/共有空間)| 商業施設(飲食店舗/販売店舗/ショールーム/レセプション)|イベント展示  など

  3. 鳥瞰パース

    type3Bird’s Eye Pers鳥瞰パース

    鳥瞰のことを英語で”Bird’s eye view”と言う通り、飛んでいる鳥が見ているような視点で制作したパースのことを「鳥瞰パース」と呼びます。アイレベルで制作した通常の建築パースとは異なり、上からの視点によって建物全体を捉えることができるため、都市開発やランドスケープ計画など大規模施設の完成イメージに利用されます。周りの景観も描くことが多く、設計した建造物とその周辺環境の関係性を示したい時にも鳥瞰パースは最適なツールとなっています。
    また、内観パースにも使用されており、施設の間取りを1枚のパースで見せることができるため、オフィスなど様々な用途がある構造の説明にも向いています。

    よく利用されるカテゴリー

    オフィス|大規模施設|都市開発|ランドスケープ計画|公園 など

次ページでは、最近の動向なども交えながらパースの利用目的について解説していきます。

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